腰が痛いから病院に行ったのに異常はありません。
異常が無かったら痛むはずがないのに!
「マッサージを受けた直後はマシだけど、結局痛みが戻ってくる」
「温めたりシップを張ったりすると、マシなような気はするけど治らない」
こんな話はよく聞きますが、そんな時は腰に原因が無い事がほとんどです。
内臓から腰痛が起こることはご存知でしょうか?
腎臓やすい臓の癌や炎症でも起きるので注意が必要ですが、その時はかなりの激痛です。
腰痛を軽視する人もいますが内臓から来ている時は放っておいても治らない事がほとんどです。慢性化すれば動けないほどのぎっくり腰に襲われたり、強い痺れが伴う事もあるので注意しましょう。
こちらでは鈍い痛みが腰に続いている時に原因となっている内臓の疲労について書いていきます。
内臓の疲労から起こる腰痛
内臓は季節によって疲労しやすい場所が変わってきます。
乾燥する秋に関して言えば肺や大腸が疲労しやすくその影響は筋肉だけでなく精神面にも及びます。
- 肺の疲労であれば前鋸筋(ぜんきょきん:腕を前に出す肩甲骨から肋骨につく筋肉)
- 大腸であれば腰方形筋(ようほうけいきん:左右の傾きを調整する肋骨から骨盤を結ぶ筋肉)
以上が疲労しやすくなります。
人によっては、ぎっくり腰やぎっくり背中といった症状を引き起こします。
これはパソコンなどのデスクワークで、同じ姿勢をとっている人に多く見られます。
内臓の疲労は、優先的に回復されるために、本来なら内臓に疲労は溜まりません。
しかし、身体に余計な負担をかけていると、回復が間に合わず疲労が蓄積されるという事になります。
まして、筋肉の疲労までは手が回らないので、負担のかかっている場所は余計に痛むという悪循環ですね。
注意すべきは、内臓の回復を遅らせる身体の負担ですね。
冷えがどれだけ身体の負担となっているか
クーラーなどの身体の冷えが、大きな負担となりやすいです。
冬の寒さよりも、クーラーの方が負担となるのは、自律神経の仕組みにあります。
自律神経は、夏に熱を放散しやすくさせ、冬は熱を逃がさないようにします。
普段から空調に守られている人は、自律神経の乱れを招き身体の機能を低下させますから。
飲食に関しても同様で、暑いからと冷たい物ばかり飲んでいると、身体の冷えから自律神経の乱れを招きます。
常温の飲み物がベストですね。
内臓は常に39度くらいの温度を保っているので40度くらいの白湯が理想的です。
特に肝臓にいたっては41度近くあるので、肝臓での代謝を盛んにしようと思えば40度以上の白湯が良いですね。
冷やしたい時でも、氷一つで我慢すれば負担はかなり減ります。
さらに空調に頼り過ぎると、汗をかきにくくなるので、身体は老廃物の排泄が滞りがちになります。
これが、大腸にとっては負担となるので、クーラーなどは止めて少し汗をかく事も大切です。
原因がはっきりしている腰痛というのは、腰の骨に明らかな異常が認められるものという事になります。
逆に、原因不明の腰痛と言われるものは、腰にはっきりとした異常が無い状態なので、腰以外に原因があります。
また、癌や炎症など内臓に、異常が認められるものも腰痛の原因とされます。
しかし、内臓の機能が低下している状態に関して言えば、原因不明とされます。
痛みが酷い時には、冷やした方が良いという意見もありますね。
冷やすという行為は、鎮痛にこそ効果的で、局所の痛みを抑えられますが、回復力を高めるわけではありません。
身体の回復力を高めるには、体温を高く維持するのが大切ですね。
温めるだけで健康に
治療に関して言えば、冷やすことの重要性は確かです。特に急性の痛みの時は、冷やすことは必須とも言えます。
しかし、漢方の世界では冷やすことを推奨しません。
漢方の本としては、異例のベストセラーを記録した本を紹介します。
それは”火神派理論”と呼ばれる考え方に基づいており、痛みや不調の問題を熱が足りないか、熱を冷やす成分が足りないかの2択で考えるというものです。
それによれば痛みの発生原因として、痛んでいる所が熱くても、他の所は冷えている事が多いので、そこを温める事が重要だという主張です。
腰痛であれば、足やお腹が冷えていることが多く、そこを温めて本来の機能を取り戻せば、腰痛は治るというものです。
実際に、自分の手で腰とお腹、足を触ってみていかがでしょうか?
腰よりも、温度が低いと感じるようなら、そこを温めましょう。
腰が冷たく感じるようであれば、腰そのものを温めてもらって結構です。
要は、冷えている所を温めて、全身の体温を底上げすることが重要だからです。
全身の体温を上げれば腰痛知らず
冷え性の方で腰痛をお持ちの方は
- 足湯で足元を温める
- 骨盤をカイロなどで温める
などの温め方が効果的です。
足が冷える方は骨盤の動きが悪く、足に行く血管や神経の働きが十分でないことが多いからです。
骨盤につながる背骨も固くなっていることが多いです。
また冷え性の方は、熱を作る力が弱く胃腸が弱い方が多いです。
ですので、お腹周りを冷やさないようにすることと、お風呂は30分以上を目安に入りましょう。
シャワーしか無理な方は、肩甲骨の間に強めで熱めのシャワーを当てましょう。一番身体が温まりやすいです。
食事としては、少しの辛みと消化に良い物が身体を温めます。
キムチは、冬に氷点下20度になる、韓国の胃腸を温める知恵になります。苦手な方は、大根おろしやシソの辛みでも大丈夫です。
適度な塩分も身体には重要です。
日本でも、山間部の冷える地域は塩分摂取が多かったのは、寒さに対抗するための手段ですね。
医師から塩分制限を受けている人は別ですが、岩塩などは少し多めに摂っても害にはなりません。
痛みというのは、外傷でも起こりますが、内臓の機能低下を警告している事もあります。
機能低下している部分は冷えているので、実際に自分の身体で冷えている場所があれば温めましょう。
漢方の火神派理論によれば、アトピーなどの肌の炎症が起こるのも、内臓が冷えているために身体が余分な熱を作り、結果として起こるものとされています。
炎症が起きている場所は、温めれば悪化しますが、炎症が起きる原因は往々にして他の場所の冷えにあります。
大切なのは身体の冷えている場所を見つけて温める事になります。
根本的に腰痛を改善するには血液から
血流の悪さを改善し、血管の柔軟性をあげる事ですね。
どちらも内臓の調子を整えることが有効です。
そもそも、よく言われる血液に良いもの、悪いものという考え方が広く浸透していますが、自然界に存在するもので悪いものは存在しません。
じゃあ何を食べてもいいの?という声が聞こえてきそうですが、よく考えて下さい。
食品添加物は自然なものでしょうか?
つまり食べ物に良い悪いは存在しなくても、加工食品は注意しましょう。全く食べるな!というのは難しいのですが、なるべく控えましょう。
そして、腹8分目を心がけるのです。最悪なのはインスタントやファーストフードでお腹一杯になる事です。
食品添加物は肝臓や小腸、大腸に負担をかけるため、摂り過ぎは禁物です。
血管の柔軟性を維持するのは、肝臓なので肝臓への余計な負担は、血管の柔軟性を損ないます。
血管はコラーゲンで出来ているので、血管の柔軟性のためには魚や肉から、コラーゲンの源であるタンパク質を摂取することです。
加えて、コラーゲンの合成を促すビタミン類も同時に取りましょう。
トマトなどの赤い野菜はビタミンB、Cを含み、キャベツやホウレンソウなどの緑の野菜は、肝臓の機能を高めます。
そして、もう一つ大切なことは、血液をサラサラな状態に保ち血管を傷つけない事です。
さらさら血液で腰痛しらず!
一番重要なのは水分になります。水分が不足していれば、血液はどろどろになってしまいます。
さらに、さらさら血液に必要な栄養素の四天王が、、、
- 大豆ペプチド:味噌や納豆などが悪玉コレステロール撃退!
- EPAやDHA:アジやイワシ、サンマに含まれ中性脂肪を下げる!
- オレイン酸:豚肉やオリーブオイルに含まれ高い抗酸化作用で過酸化脂質を抑え、悪玉コレステロールを下げる!
- 硫化アリル:玉ねぎに含まれ、血液が固まるのを防ぎ、血栓予防!
こういった栄養素を普段からとり、適度に汗を流し水分を摂取する事で、元気な血管が維持されます。
合わせてやりたいお勧めのストレッチ
アシカのポーズ
うつ伏せで寝て両手を床につきましょう。
そこから上半身を起こしていき顔は天井を見るようします。腹部が伸びているのを感じればOKです。
10秒ほどキープします。この時下半身が浮かないように気を付けましょう。
反らしてみて、痛かったら止めて下さいね。
ギックリ腰を起こした後なら、少し浮かすくらいで良いので、出来る範囲で行いましょう。
ラッコ体操
可動性の少なくなった屈曲の動きを回復させるための屈曲のストレッチです。
方法は仰向けに寝て膝を抱きかかえるようにして腰部を丸めます。
その後痛みが出ない様になれば立位で行なって下さい。
また症状が治まった後、前屈時に身体の傾きが出る方は傾く側の反対側の足を椅子などの台にのせて立位で屈曲することにより歪みを矯正します。
屈曲運動は損傷部位の回復が完了し下肢症状がなくなってから行いましょう。
くれぐれも急いで行い悪化させないようにして下さい。
この運動はぎっくり腰の予防としても効果的なので、元気になってからもお勧めです。
最後に
大半の腰痛は日々の不摂生から作られます。
人間の身体は、自然治癒力があるので、どんな痛みも本来は治してしまいます。
治らないのは原因が痛む場所にない事が多いです。
そんな時は、三つの原因を疑いましょう。
- 内臓の疲労
- 身体の冷え
- 血流の悪さ
季節の変わり目に体調を崩す人は大勢いますが、大半の方が食事や生活習慣を切り替えずに過ごしていることが原因となっています。
自然に沿った生き方が重要です。
長引く腰痛は辛いと思いますが、生活習慣を季節によって切り替えれば、回復するのでぜひ実践してみて下さい。