「脇がピリピリして辛い…夜も寝れない時があるのよね」。肋間神経痛でそんな風に悩む方はたくさんいます。
この記事を読んでいるあなたも肋間神経痛で悩んでいるのではないでしょうか?もしくは「脇がピリピリして肋間神経痛かも…?」と不安になっているかもしれませんね。
脇がピリピリしだして、病院で検査をしてもらうと「肋間神経痛ですね、薬を出して様子をみましょう。」ほとんどはそう言われて様子をみていることと思います。
それで治る方は「本当に良かったー」となりますよね。でも、中々薬を飲んでいてもピリピリがおさまらない…。そんな方もいます。今回はその後者の方へ向けた記事です。
特に大きな病気がかくれていないけど、薬で肋間神経痛がおさまらない方へ。薬では治らない部分が原因かもしれないので参考にしてみてくださいね。
肋間神経痛とは?
肋骨(あばら骨)の間を通る神経痛
上記の人を後ろからみた画像に肋間神経を記しています。赤丸を囲んだ線の先にあるのが肋間神経ですね。背骨の中心から横に、わき腹にむけて走っているものをいいます。
定義としては…肋間動脈および肋間静脈と並んでとなりあう肋骨の間(あばら骨の間)を走る神経。胸神経の前枝で,人間では12対ある。しかし第12肋間神経は,第12(肋間)ではなくて,第12肋骨の下を走ることになるから(ヒトの肋骨は12対であり,したがって第12肋間はない),とくに肋下神経とよばれる。肋間神経は,末梢神経のなかで最も強く体節の面影を残す神経で,胸壁と腹壁を形成する骨格筋を支配するとともに,胸壁と腹壁(前面と側面)の皮膚にも分布する。
とあります。難しすぎますね。。
ざっくりというと、胸椎という12個ある背骨の間から神経が12本出ています。それが背中側の肋骨の間をずーっと肋骨の前の方まで来ているということですね。その肋間神経と一緒に血管も流れています。その神経は呼吸をする時に使う筋肉を動かすこともしている。少しはわかりやすいでしょうか?
ここは「へえ~」って感じでいいと思います。
では、次に肋間神経痛の原因について西洋医学の観点から紹介しますね。
肋間神経痛の原因は?西洋医学の観点から
肋間神経痛の原因は、西洋医学の観点からいうと、明確な原因はないといわれています。
でも、様々な病気の関連症状としてでることが多いので何か病気にかかっていないか?ということを血液や画像診断や触診問診で検査をします。
病気で多いのは、
①風邪や帯状疱疹などのウイルスが影響するパターン
②まれだが、狭心症やがんによる痛みがおこっているパターン
この2つです。ほとんどは①のパターンなので、鎮痛剤やシップを処方され経過をみます。「これで様子をみてください。まだ痛みが引かなかったらまた薬を飲んでもらいますね」。このパターンがほとんどのはずです。
痛みがひどい場合は神経の根元にブロック注射という神経の興奮を抑える治療をすることもありますが、よほどでない限りはいきなり注射をすることはないでしょう。
これで、治療が終了して「楽になったわ~」となれば本当に良かったーとなりますが、引かないパターンがあります。
それは西洋医学の観点からの原因の①、②ではないパターンのことをいいます。
「それって何なん?」それは、東洋医学からの観点といいますか、当院の観点からお伝えしますね。
肋間神経痛の原因は疲労や呼吸の低下のパターンがある
疲労→姿勢のくずれ→肋間神経痛の流れ
「え?疲労?呼吸?意味わからないよ!」と思いますよね?それには理由、流れがあります。肋間神経痛の原因が疲労や呼吸の低下のパターンについてお伝えしていきますね。
結論の流れから。
慢性的な疲労や呼吸器の機能低下で肋骨の可動性が悪くなる。
↓
姿勢が崩れる
↓
肋間の神経、血管が詰まるため痛み始める。
これです。
では、細かく解説していきますね。
①疲労や呼吸器の低下が起こる
多忙、仕事、ストレス、睡眠不足、食事の偏り、手の使いすぎ、、これらがおこるとあなたの身体はどうなるでしょうか?何がたまりますか?…
「疲労」ですね。
疲労といっても、肉体疲労、精神疲労、そして内臓疲労があります。
それらの疲労がたまると、姿勢を保つことができなくなります。
マラソンをした後、長距離歩いた後、ご飯を食べすぎて内臓が疲れた後、ストレスでヘロヘロになった後…
イメージしてみてください。
全部、前かがみになっていませんか?姿勢がわるくなっていませんか?ビシッとCAさんやオードリーの春日さんみたいに姿勢がいい状態にはならないですよね。
これです。
疲労が起こることで→姿勢が保てなくなる→姿勢がわるくなると前傾してしまうから胸椎(背骨)の3、4個目を軸になり負担がかかる。この胸椎3,4は呼吸器や心臓と関連しているんですね。→そのためもちろん呼吸が浅くなる。
身体を丸めて深呼吸ってしにくいですよね。やってみてください。めちゃめちゃしにくいです。ということで、疲労から姿勢がくずれ、呼吸が浅くなる。この流れができるんですね、では次におこる流れにいきます。
②姿勢が前に倒れないように背中の筋肉が頑張って疲れる
身体を支えるために背骨を起こす筋肉(脊柱起立筋)や広背筋などが常に働いて疲れちゃいます。ずっとまあまあの力で綱引きをしているようなものですね。
そうなってくると、当然どうなるでしょうか?疲れて硬くなる、いわゆるこってくる状況になり、それが慢性化します。
姿勢が腰痛と関連するって聞いたことあるかもしれないですけど、深堀するとこの「疲労」スタートの流れがあるんですよね。
肋間神経痛の人って腰痛持ちや背中、肩こりの人も多いです。あなたはどうでしょうか?
先ほどお伝えした広背筋が硬くなるとどんどん周りの筋肉もかばって硬くなります。
その隣にある「前鋸筋」(ぜんきょきん)といって肋骨の側面、いわゆるわき腹の上の方にある筋肉が硬くなるんですね。
赤線を引いた、肋骨にへばりついている筋肉のことです。これが前鋸筋ですので、知っておいてください。ではここが硬くなると、次に起こる事は…
③脇腹、肋骨側面の筋肉が硬くなると肋骨の動きが硬くなる。
前鋸筋が硬くなるとどうなるでしょうか?だいたいイメージされているかもしれませんが、肋骨側面にへばりついてる筋肉なんで、硬いと良くなさそうだな~って思われたことでしょう。その通りですね。
前鋸筋の働きは、肩関節の動きを滑らかにする働き+肋骨を持ち上げる作用があります。肋骨を持ち上げるってことは、「吸う」時に働くってことですね。
この前鋸筋が硬くなったままだと、肋骨の動きが硬いままだけでなく、呼吸がしにくくなるので肺や心臓にも影響をあたえてしまいます。当然肋間を走る神経、動脈、静脈も流れがわるくなることはイメージできるのではないでしょうか?
④肋間の血液、リンパの流れが詰まり、肋間神経痛になる。
最後の項目になりました。これらの結果、肋間の血液、リンパの流れが低下して詰まり、神経に栄養が行きにくい状況がうまれて「肋間神経痛」になります。
背中からはじまり、わき腹を通り、前に流れてくる肋間神経。最終的にここにダメージがくる、症状がでるまでの流れはこんな風に経過をたどるんですね。
じゃあどうすれば良くなるか?については次に紹介しますね。
薬でおさまらなかった肋間神経痛の対処方法は?
大きくいうと「姿勢」を保てるようにすること。
薬でおさまらなかった肋間神経痛の対処方法について、ざっくり2つ紹介しますね。
①食事、睡眠、運動のバランスを改善する。
これに尽きますね。食事ならバランスをとる、食事量を減らす、甘い物や脂物、砂糖、糖質、ジュース、お酒、コーヒーなどが多すぎないか?チェックしなおしてみてください。
食べすぎ、偏りすぎ、飲みすぎ…これらを正すことでも全然違います。内臓疲労を軽減させます。
また、睡眠と運動に関していうと、睡眠はただ今よりも増やしましょう。スマホやテレビをみて寝るのが遅くなる習慣になっていませんか?また、運動は何も走る必要はありません。階段をつかう、歩くことを増やす、家事を手伝う。そんなことでいいんです。
このバランスをそれぞれ改善することで、「疲労」が変わります。疲労が変わると姿勢がくずれにくくなります。姿勢がくずれにくいと呼吸が楽になります。呼吸が楽だと肋間に負担は少ない状況になります。
この流れを作り出しましょう。自分で今すぐできますよ!
②専門家に任せる。
当院は対応できますが、お近くの治療院で姿勢の調整をしてくれる、内臓調整をしてくれる、適切なアドバイスをもらえる(食事や睡眠などの生活習慣)ところに頼ることが良いでしょう。
ヨガなどで姿勢を改善するところも女性ならいいかもしれませんね。
もし、他府県でどこがいいかわからないよ…と言う方は全国の治療院を紹介できますので連絡頂ければと思います。
おわりに
お薬を飲んできても肋間神経痛がおさまらない方へ。この記事を書いてきましたがいかがでしたか?
肋間神経痛は、お薬で良くならない場合でもあきらめないでください。今回紹介したパターンで症状がでているだけかもしれません。それだったら治るかも!とこの記事を読んで希望をもってもらえれば嬉しいです。
川上健史郎