世の中にはさまざまな食事療法が存在します。 たとえば、炭水化物を制限して血糖コントロールする食事療法や、野菜だけしか食べないベジタリアン、フルーツしか食べないフルータリアンなど。逆に肉だけを食べて生きている人もいます。
また、食事の摂り方も学者によってさまざまですが、一日一食を勧める人もいれば、3食きちんと食べるべきという人もいます。それぞれ言い分はあるのでしょうが、とにかく食事療法に関しては人によっては合う、合わないがあるのかもしれません。
今回、私が実践したのは「グルテンフリー」という食事療法です。近年注目されている食事療法であり聞いた事があるかもしれませんね。ネットで検索すると、欧米のセレブ達が実践してダイエットに成功したという記事も見受けられます。
しかし私が今回実践する目的はダイエットではなくグルテンフリーをすることで、身体と心がどう変化するかを知るためです。
スポーツ選手を中心にグルテンフリーが広がっている
昨年の2015年にテニスの世界王者ジョコビッチがある本を出版しました。 それが、「ジョコビッチの生まれ変わる食事 ~あなたの人生を激変させる14日間プログラム~」です。 この本をきっかけに日本でグルテンフリーの食事療法の知名度が上がり、スポーツ選手を中心だけではなく一般の人もグルテンフリーを実践しうれしい結果が出たという声もあります。
グルテンフリーって何?
グルテンとは小麦やライ麦、大麦など麦類に含まれるたんぱく質の一種で、うどんやパスタ、パンなどに含まれます。 うどんの麺がシコシコした歯ごたえや、パンがモチモチした食感なのはこのグルテンの粘り気があるから出来るわけなんです。
このグルテンは人によってはアレルギーを引き起こす危険があり、アメリカではグルテン不対症といわれる人が多く、食べると頭痛や鼻づまり、重症な人は小腸に炎症を起こす場合もあります。 そのような人を対象にグルテンフリーの食材が増えてきています。しかし、そのあたりは日本は遅れているので、よく原材料を確認しなくてはいけません。 ですので、グルテンフリーとは完全に小麦で作られた食べ物を食べない食事療法のことです。
グルテンフリーと精神の関係
よくグルテンフリーを実践した人がダイエットに成功したという話は良くあるんです。ただ、何で今回は精神にどのような変化があるのかを検証するかに至ったかといったらとてもシンプルなんですが、先ほど紹介したジョコビッチ氏の本に
グルテンを含む食物はうつ病や無気力、あるいは痴呆や精神疾患さえも繋がっている。よって「思考」を肉体と同じように遇する必要がある。つまり、適切な滋養を与えるということだ。
と記されています。また、
グルテンを14日だけやめてみて、どういう気分になるか試してみてほしい。15日目に、パンを少しだけ食べて様子をみてほしい。身体が発する声に耳を傾けてほしい。
と表紙にも載っていて、ますます、身体と精神に影響があるのかと思ったわけなんです。
グルテンフリーとはちょっと似ていますが、糖質制限療法といって炭水化物を減らす食事でも血糖値が乱高下しないので精神も安定するということはさまざまな書籍でも紹介されています。なので私も試してみたくなったわけです。
しかし、私はいたって健康で精神もまったく安定しているんですが、この場合どうなるのだろうか。検証してみました。
二週間グルテンフリーを実践すると精神はどう変わるか?
12月22日 1日目
今日からスタートです。 初日は定食です。 グルテンを食べなかったらいいので、米をたくさん食べるのは大丈夫だから意外といけるかも! お菓子も小麦を原料にしたお菓子は食べられないのでゼリーや米を原料にしたせんべいなどを食べてみました。
12月25日 4日目
この日はクリスマスです。クリスマスのケーキやチキンを食べる人が多い中、私はそれらを食べられません。 別にクリスマスだからといってケーキを食べる必要はないんですが、チキンは食べたかった・・・。
チキンがなぜ駄目かというと、揚げる時に小麦粉につけて揚げているからなんです。 ですので、スーパーで唐揚げ用のチキンを買って、塩コショウを振りオーブンで焼いて食べることを思いつきやってみました。 さっぱりしておいしい! ただ、ビールと一緒に飲めないんですよね。麦芽とかホップとかってグルテン入っているから! ビールが飲めないのはつらいです。。。
肉体・精神共にいつもと変わらず。
12月28日 7日目
29日が仕事収めなんですが、3人で仕事帰りに居酒屋へ行きました。 私はビールを飲んではいけないので梅酒やら日本酒を。本当はビールが・・・。 居酒屋は比較的小麦を使った料理は少なく、焼き鳥や鉄板や刺身などが中心です。麺類を注文しなければ小麦を気にすることはあまりないかもしれません。 肉体・精神共に変わらず
元旦 11日目
お正月といったらおせち料理です。おせち料理は好きなので食べるんですが、小麦を入っていないかを確認しないといけません。 でもまったくそのへんは心配要りませんでした。
日本料理はもともと小麦を使った料理は少なくすべての種類を食べることが出来ました。 それに、お正月といったらお雑煮ですね。お餅が入っていますが米なので平気です!
しかし、年末に年越しそばを食べたときに、原料に小麦ではなく蕎麦粉を使っているだろうと思い、食べました。 しかし、よく調べてみると、蕎麦は小麦も混ぜて作っている蕎麦がほとんどで、十割蕎麦なら全て蕎麦粉で作った蕎麦を食べられるそうです。 この日は鼻水が止まらなくて大変でしたが、単なる風邪ですね。 精神はいつもどおり。
意外な落とし穴
2週間グルテンフリーの生活をしてみて、寝起きがよくなるか、気分がより良くなるのかなど注意を払ってきたんですが分からなかったんです。
ただ、私も完全にフリーにしたのかと言うとそれは違います。 醤油やソース、味噌、さまざまな調味料に小麦が入っている場合がほとんどで、自炊をして調味料も原料に小麦が入っていないものを使えば完全にフリーになるのですが、外食が多い私にはそれは出来ませんでした。 調味料の原材料の中身を確認すると「原料として小麦・大豆を含む」などの表記があります。 外食で牛丼や中華料理を食べる際の調味料は原料として小麦が含まれていると思われます。
今回の考察と今後、グルテンフリーを続けるのか
二週間グルテンフリーを実践してきたなかで、どうして体感が感じれなかったのか、そして今後も続けるかどうかについて考えてみました。
どうして体感を感じれなかったのか
理由は大きく3つあります。
■完璧に小麦を絶つことが出来なかった
■グルテンフリー以外にも食べる時間や量、内容なども徹底していなかった
■プロスポーツ選手のように肉体・精神の限界に挑戦することがない
小麦を完全に絶つことは難しい
小麦が含まれていない調味料を買ってきて自炊するならいいですが、私にはそれが出来なかったので、外食をします。その際、調味料には原料として小麦が使われていることが多くあります。 ハンバーグを食べるときでもつなぎに小麦が入っていることもあるので注意が必要です。
グルテンフリーと同等に、食べる量や内容が大事
グルテンフリーを完璧に実践できてもそれだけでは十分ではなく、ジョコビッチ選手は朝昼晩の食事の内容や量も違います。たとえば朝食ならグルテンフリーのオートミール、一握りの分量のさまざまなナッツ、ひまわり・かぼちゃの種、バナナやあらゆる種類のベリー、ココナッツオイル、ライスミルク、アーモンドミルク・・・など。 それ以外にも、氷水を飲まない、朝のスプーン2杯の蜂蜜などたくさんの決まりがあります。 一般人にそこまで徹底して出来る人がどれくらいいることでしょう。
プロスポーツ選手のように感覚が鋭くない
体力・精神の限界に挑戦しているプロスポーツ選手は自分の身体に敏感です。どんなトレーニングをしたらどうなったか、どんなものを食べたらどうなったかなど、試合結果に表れます。しかも世界選手権などに出る選手などは食事指導やメンタルコーチなどたくさんのプロフェッショナルを雇い、万全な状態で試合に臨みます。なので常日頃から肉体・精神の限界突破をする人なら分かるかもしれませんが、一般人は、化学薬品にまみれた食材を食べたり、食生活が乱れたりしていれば感覚は鈍くなるでしょう。
よって、私はグルテンフリーは続けません。炭水化物をたまに減らすことはしますが、グルテン不対症ではないので基本は麺やパンを食べます! 小麦万歳!
グルテンフリー、グルテン食 どっちが勝つのか!?
本日1月26日は テニスのグランドスラムである全豪オープン錦織圭(日本)とジョコビッチ(セルビア)の男子シングルス準々決勝が行われます。
錦織圭選手はパスタもスイーツも好きで、ラーメンも食べるそうです。グルテンフリーをしていませんが、どっちが勝てるか乞うご期待! 錦織圭選手 頑張れ!